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01/04/11 相場の張り方(その5)

テクニカル分析について2

前回はテクニカル分析の必要性について書きました。今回はテクニカル分析の種類について書いて見たいと思います。

テクニカル分析は「トレンドを分析する」「売られ過ぎ・買われ過ぎを分析する」「勢いの変化を分析する」があります。(以下分りやすくするために株価で説明します)

1. トレンドを分析する
その株が上昇傾向にあるのか、下落傾向にあるのかの「大勢」を分析する方法です。そして当然ながら「大勢が上昇であると判断すれば、買う」わけですし「大勢が下落であると判断すれば、売る」わけです。いわゆる「順バリ」(この順はもしかしたら純かもしれませんが)です。

このトレンド分析は2つに分かれます。一つは「最近上昇が続いているから、これからも上昇が続くだろう」という考え方(将来は過去の延長という哲学)と「ある水準を上回ったから、トレンドが上昇に転じただろう」という考え方(物事には潮目があり、その水準を越えると元には戻らないという哲学)があります。

(1)将来は過去の延長
最近のトレンドを一番分りやすく見るのは「移動平均」です。例えば「過去10日間の平均」を毎日計算していけば「10日移動平均線」が描けます。これが上昇ならば「相場は上昇傾向にある」と判断するわけです。

(2)物事には潮目がある
例えば最近の安値から5%上昇したら、「もう売りは終わった、これからは相場の流れは買いだ」という判断をする方法です。では「潮目(上記の例では5%)」を何に求めるかでいろんなバリエーションがあります。
 ・ 過去の高値と安値を基準にして、下げた値段のX%を基準にする 
 ・ X日前の株価
 ・ 最安値の更新記録をつけておき、過去×回の更新履歴を上回る(いわゆる新値分析)

(3)ゴールデンクロス・デッドクロス
このトレンド分析以外でもあらゆるテクニカル分析で利用されるのが、ゴールデンクロス・デッドクロスという分析です。一番良く使われるのが、「短期の移動平均が長期の移動平均を上回る」のがゴールデンクロス、逆(短期が長期を下回る)がデッドクロスです。

2. 買われすぎ・売られすぎを分析する
「乖離分析」とも言われます。「物事には常識の範囲というものがあって、それ以上・それ以下の動きは遅かれ早かれ是正される」という哲学が背景になっています。主なものとして

(1)トレンドからの乖離
移動平均線からの乖離が最もよく使われます。「25日移動平均から10%上方に乖離したので買われ過ぎ」といったコメントに代表されます。

(2)最近の安値・高値からの乖離
「安値から10%もあがったから、そろそろ利食いが入るので、目先調整になるでしょう」といったコメントに代表されます。「潮目分析」とは真っ向対立する結論になるケースも多々あります。

(3)過去何日間の累積
「過去10日で8日間も売られたら、さすがに売られすぎでしょ」というコメントに代表されます。但し、同じ「過去10日間5日上げて、5日下げた」というケースでも、上げた日の平均の上げ幅は100円、下げた日の平均下げ幅は30円であった場合と、その逆では「売られすぎ・買われすぎ」の印象は全く逆になります。
この前日比の値幅を基準として、「勝ち負けの比率」を修正したのがRSIと呼ばれるものです。

3. 勢い分析
「モメンタム分析」とも言われます。「最近上昇の勢いが無いから、そろそろ下げかなあ」という考えです。数学の「微分」の考え方でもあります。一定時間あたりの変化率をみて、変化率が増えていれば「勢いが増している」、変化率が減っていれば「勢いがなくなって来ている」という判断をします。

数学の微分と全く同じく、毎日の前日比をチェックするのが最もわかりやすい方法です。但し、傾向見るために「均す」という手続きが必要であるため、「移動平均線」の前日比を使います。
当然短期間の移動平均線(例えば10日移動平均線)と長期間の移動平均線(例えば25日移動平均線)のモメンタムの差が、「短期的な勢い」と「長期的な勢い」をあらわしており、「短期的には勢いがなくなってきているが、長期的なモメンタムはまだ強く、上昇余地はある」といったコメントが引き出される事になります。

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