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01/02/23 相場の張り方(その4)

テクニカル分析について1

テクニカル分析はチャート分析とか罫線分析とか言われます。そして証券分析のようなアカデミズムでは「呪術(ブーデュー)のように「まがい物」扱いされています。
テクニカル分析は、占い程度の当てにならないものでしょうか?
私の経験からは、「テクニカル分析無しで相場に勝つのは非常に難しい」というものです。もっと正確に言えば、株式投資の場合なら「とにかく短期的にやられても、この会社は絶対将来利益が増えるから永遠に持ってる」という確信があるケース以外は、テクニカル分析は必要だと思います。
ファンダメンタル分析だけでは「途中でめげる」→「大幅な損で損切りを余儀なくされる」という感じです。

以下わかりやすいので株式投資を例に話をします。商品でも為替でも債券でも、基本的には同じです。
相場に参加している人の大勢は、「取引でお金を儲けたい」という人です。「会社の経営権を握りたい(M&A)」とか「会社の事業を切り売りして儲けたい(LBOなど)」といった理由で参加しているケースは極めて希です。
取引で収益を計算する場合の基準は株価そのものです。一番大事なのは、投資している企業の株価であって、利益や配当率、売上げなどではありません。
そして、相場の上げ下げによって投資家の心理ははっきりと影響を受けます。ケインズの言うように「株式投資は美人投票」で、市場参加者の心理は、相場の流れを決める大きな(多分最大の)ファクターです。

テクニカル分析はこの「市場参加者の心理」を分析すると思います。また、自分の惚れ込みにストップをかけてくれるのも、テクニカル分析です。

自分が株を買った時、気持ちはどうなるでしょうか?まず買ったこと自体、「その企業の株が上がること」を期待しているわけです。心理的には既にニュートラルでは無いのです。当然その会社にとって良いニュースが出たときはうれしく、悪いニュースが出たときは腹立たしい気持ちになります。
良い話は「そのまま受け入れて」、悪い話は「無かったことにしたい」のが投資家心理です。そういう投資家が集まって相場が形成されます。「取らぬ狸の皮算用」を元に、「(程度の差はあっても)企業の事業に関して、うがった見方しかできない」心理状態で相場に参加しているのです。

例えば、
どの水準を株価が越えたら、この企業は伸びると確信するのか?
どこまであがったら、そろそろ利益を出したいと思うのか?
どこまで下がったら、ふざけるなといって、ナンピンを入れるのか?
どこまでやられたら、もう勘弁してくれといって降参するのか?
この、「どこまでを分析する」のがテクニカル分析です。

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