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「マクドナルドより強いハンバーガー屋さん」(2000/2/20)

フィリピンに行くと「jollibee」(ジョリビー)という「ミツバチ坊や」の看板を多く見ます。これは現地のハンバーガー屋さんです。日本にも外資系のマクドナルド等に対して、国内系のハンバーガー屋さんがあります。しかしマクドナルドの低価格戦略に苦戦しています。しかし、フィリピンではこのジョリビーがマクドナルドの攻勢に十分対抗しているのです。

日本ではマクドナルドより安くハンバーガーを提供できる会社はないのですが、ジョリビーは価格面でもほぼ同じ水準です。違いは「味」です。マクドナルドは日本で食べるのと同じ味。一方ジョリビーは「フィリピン風ハンバーガー」なのです。日本人には馴染みの無い味ですが、現地ではこの「味」が受けているので、マクドナルドに負けない、ハンバーガー屋になっています。

「フィリピンの会社」(1999/10/3

東南アジアに一般的ですが、フィリピンも日本に比べて製造業が少ないようです。
日本で大企業といえば、(最近はNTTやソフトバンクなど情報通信会社が出てきましたが、)やはり思い浮かべるのは自動車会社、鉄鋼会社、電気機器会社でしょうか。フィリピンにはトヨタ・松下などの工場はあっても、フィリピンの自動車会社・鉄鋼会社・電気機器会社はありません。

でも理由は「フィリピンが遅れている」からではありません。国民一人当りの所得のもっと低い、中国やインドには自動車・鉄鋼・電気機器などの企業があります。

理由は「フィリピン経済は海外企業に開放されている」ということです。先進国の企業の現地法人や現地工場が多く、また現地企業は単独では技術力・生産力が劣るためです。自由貿易の度合いが高いと、海外の製品が比較的容易に手に入ります。一方で国内企業が育ちにくいという欠点もあります。生産者には厳しく、消費者にはメリットのある政策といえます。

またフィリピンの場合は英語が準公用語なので、製品(ハード)だけでなくソフト面でも海外製品の優勢が顕著です。コンピューターソフト・映画など英語で作られたものが、そのまま容易に輸入できてしまいます。日本だと日本語対応とか日本語訳というクッションが入るのでそこに国内産業が伸びる隙間が大きいのですが、フィリピンの場合ははっきりしたコンテンツの差が無いと産業になりにくいのです。