フィリピン経済ニュース バックナンバー

フィリピンの8月貿易収支(99/10/15)(英語の原文参照)

8月の貿易収支が発表され、5.5億米ドルと前月の0.6億米ドルからさらに改善した。これは主に輸出の急増(前年比21%増)が背景となっている。一方輸入の方も国内景気の底入れから微増しているが、輸出の伸びをかなり下回っている。今年1月から8月までの累計貿易収支は13米ドルの黒字となっており、前年の13億ドルの「赤字」のちょうど逆となっている。政府の今年の貿易収支のターゲットは2.9億米ドルであるが、現在の状況からかなり達成の可能性が高い。

政府の財政バランス(99/10/15)(英語の原文参照)

一方政府の財政収支は9月時点で875億ペソとなっており、政府の通年目標の853億ペソをすで上回っている。これは税収の予想外の低迷と利払いを中心とする歳出増が原因。しかし、政府は政府目標の達成に楽観的である。これは、10月以降税収が伸びることと、徴税期間となることを予想しているため。また電力会社からの支払いも64億ペソ期待できることも背景となっている。

フィリピンの8月の輸出(99/10/4)(英語の原文参照)

8月のフィリピンの輸出は対前年同月比で21%増加の32.1億ドル(前年8月は26.5億ドル)となった。特にエレクトロニクスの輸出は堅調で同27%増となった。その他衣類やアパレルの輸出も減少から増加に転じたことも貢献している。この21%増加というのは今年の1月の22%増に次ぐ今年二番目の高い伸びである。国別では対米輸出が4%増とさえなかったものの、対日輸出は16%と大きく伸びている。ここに来て日本向けの輸出の伸びが加速してきた。今年の政府の輸出目標は340億ドルであるが、過去8ヶ月の総計は219億ドルとなっている。今後年末のホリデーシーズンを控えて輸出業者が輸出に拍車をかけることを考慮すると、この政府目標は達成できそうな勢いである。

NTTコミュニケーションPLTDに出資 (99/9/29)

NTTの子会社であり、国際電話サービスを手がけるNTTコミュニケーションが、フィリピン最大の通信会社であるフィリピン長距離電話(Philippine Long Ditstance Telecomunication=PLDT)への出資契約を締結した。この話はすでに合意していたが、正式に契約と取り交わしたもの。
NTTコミュニケーションは、すでにフィリピン最大の携帯電話会社であるスマート社を保持しているが、これをPLDTの株式と交換し、さらにPLDTの株を発行株式の7.2%分追加で取得する。

最近の日本企業とフィリピン企業の提携な主なものとしては、

(1)丸紅が現地最大の飲料メーカー(ビール会社)であるサン・ミゲルと業務提携

(2)三菱商事が現地最大の不動産・ビル管理のグループであるアヤラ・グループと物流拠点を作ることに合意

などがある。

日本はこれまでアジアではインドネシア・タイをメインの投資先としてきた。これは
@ この2国の経済成長が域内での高かったこと
A 歴史的にタイが王国で植民地になっていなかったこと、インドネシアがアメリカ覇権主義に抵抗してきたことで、欧米資本が入りにくかったこと
B 特にインドネシアに顕著であったが、政権と密着して「ひも付きODA」という、高収益なビジネスが展開されてきたこと

といった背景にあった。しかし、この2国が97年からのアジア通貨危機で壊滅的な打撃をうけたため、アジアの拠点としてフィリピンが見直されてきた。

フィリピンの銀行の資産状況悪化へ(99/9/20) (英語の原文参照)

フィリピン中央銀行のレポートによれば、フィリピンの商業銀行(日本の普通銀行に相当)の99/7現在の不良債権比率は14.3%で、99/6の13.1%から悪化した。

銀行全体の融資の増加は前月比1%。

対外バランスは改善へ(99/9/20) (英語の原文参照)

フィリピンの過去6ヶ月の対外バランスは28.8億ドルで昨年同期の15.6億ドルから84.5%の増加を示した。一番の好転理由は経常収支の改善で、7.6億ドルの黒字になった。輸出が背景となっている。